さて9月下旬に本社を訪問して本格的にインタビュー(面接)をすることになりました。渡航の手配は先方がやってくれると言っていましたが、マイルを達成しておきたかったのと(これでANAのSFCを入手)、LAの友人を訪ねたかったこともあって、今回は自腹で渡米。でもやっぱりSFOへは直行便がいいですね。LA乗り換えは時間がかかりすぎて大変です。
対面のインタビューは昼過ぎから半日かけて行いました。30分おきに11セッション、各組は2人づつ、同じくらいの職位の人、VPクラス、新人、QA やプロマネなどと様々な人と話をします。休憩なしに続けたので大変でしたが、全体的には楽しめました。自分の紹介、動機、今後のビジョン、仕事の進め方、トラブル時の考え方などの一般的な話題が3割くらい、プログラミングに関する知識の質問が3割くらい、残りの4割は専門知識などについての質問だったと思います。最初に話をした VP の方とも再会して、ここまで時間かかっちゃったねえ、なんて話していましたが、結果的にはこの後、働き始めるまでの方が時間がかかったりしてます(笑)。
プログラミングの話題はC++に関すること(デザインパターンやパフォーマンス、テンプレートの扱いなど)がほとんどでしたが、現場にいるプログラマなら簡単に答えられるようなことだったと思います。例えばこんな問題でした。
STL には vector などのコンテナがあるが、python などの言語のようにどんな型でも入れられるようにしたい。v.push_back(false);v.push_back(1.0F);v.push_back("string");C++ でこれを実現するにはどうしたらいいか。
もちろんここでは boost::any という答えではダメなので、その簡単な実装を示せばいいんですが、英語でちゃんと説明するのは意外と難しかったりします。僕はホワイトボードにクラスの実装などを書いて、インタビュワーにも助けられながらどうにかなりました。もうちょっとプログラミングの書籍を原著で読んでおけば適切な単語などもすんなり出てきたのかもしれません・・・
夕方全部のセッションが終わって、リクルーターの人と待遇などについて相談しました。僕は日本での給料が非常識に高すぎますし、円高もあってそのまま要求してしまうと先方があきらめてしまうと思ったので、基本はお任せします、という感じにしました。もっともこれは今回僕が給料がどうでも良かったからであって、普通はしっかりと希望を伝えるべきものでしょう。業界や人によって大分違うとは思いますが、日本から中途で転職するキャリアのあるソフトウェアエンジニアは最低でも12〜15万ドルくらいを提示されるんじゃないかなと思います。上はいくらでもあるでしょう。myvisajobs.com や glassdoor.com の情報はとても参考になりますのでぜひ見て下さい。短期間有料会員になってもいいと思います。特に glassdoor、各社のレビューが普通に面白いですよ。
給料の他には、スケジュールの相談をされました。やはり先方は一日でも早く、ということなんですが、僕の場合ビザ手続きで1ヶ月以上かかるのは確実だったので、とりあえず2ヶ月後(12月)くらい、と伝えておきました。これで訪問インタビューは終わりです。さすがに終わったらくたびれてしまいました。
ところで永住権などを持たない日本人が、日本法人などのないアメリカ企業で働くためにはH1B(またはO1)ビザが必須になるわけですが、そのためにはまず採用を決めてもらわないといけません。多くの場合、ここでスケジュールが最大の問題になると思います。
H1B ビザは年度ごとに65000人(+20000)という枠が決まっていて、毎年10月1日からの就労許可申請を4月から受け付けています。一昨年までは、4月1日に受け付けを開始して数日で枠が埋まってしまうという状況が続いていました。つまり、10月1日から働くために3月くらいに採用してもらっていないといけないわけですが、半年以上先になる人材を採ってくれるアメリカ企業はほとんどないので、この経路は他のビザやOPT(アメリカの大学卒業後に与えられる就労期間)をはさんで切り替えるという人にほぼ限定されていたと思います。つまり、このような転職は実質不可能でした。
ところがリーマンショックを経て2010年からは H1B の申請が激減し(企業が外国人労働者の採用を控えたため)、昨年は1月まで、今年も11月末時点でまだ発給枠が残されています。従って、9月〜10月に採用を決めれば、すぐにビザを申請して働き始めることが可能になっているのです。これより早くても遅くても良くないです。今後H1Bビザを巡る状況がどう変化するかはわかりませんが、去年、今年、そしておそらく来年も、非常に貴重なチャンスがある、と言っていいと思います。なお後で詳しく書きますが、現在H1Bビザ手続きには最速でも1ヶ月ちょっとはかかります。
一週間後、担当リクルーターから電話があり、そこで給料やボーナスなどの条件、各種ベネフィット(福利厚生・保険等)などが提示されて、オファーを受けるかどうか聞かれましたので、その場で受諾しました。これで僕と会社の意思は決まったんですが、各種手続きはこれからが本番になります・・・
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